HOME > WEB MAGAZINE > Books On The Table #8

「島を発つ前に苗を植えてきたの」と話す女性に「まるでルピナスさんみたいだね」と伝えたことがあります。
「今頃きれいな花が咲いているかな」と続いた話に、わたしもそのお話のあらすじで返しました。


ルピナスさんは海を見渡せる丘の上で暮らすおばあさんです。
家の周りを青や紫やピンク色のルピナスの花が囲み、それが彼女の名称の由来です。
本当の名前はアリス・ランフィアス。
まだその名前で呼ばれていたころ、人生の3つの約束をしました。
1つは大人になったら遠くの国へ行くこと。そして海辺の町で過ごすこと。
最後に「世の中を、もっとうつくしくするために、なにか」をすること。


大人になったルピナスさんは、海から遠く離れた国で働きはじめます。
それから高い山に登ったり、ジャングルへ分け入ったりと大冒険をしながら、
たくさんの美しい景色といつまでも忘れられない人々に出会います。
世界の良さをじゅうぶんに知り尽くしたルピナスさんが辿り着いた、
世の中をもっとうつくしくするためのなにかとは…さてさて。


撒いた美しさの種はいつしか芽を出し、花を咲かせ、また次の種をこぼす。
喜びはそうやって自然とひろがっていくのでしょうね。